不良馬場で上がり34秒台とは ~日本ダービー

今日の日本ダービーは、オルフェーヴルが1番人気に応えて、すばらしい末脚で2冠を達成しました。

道中は中団の後方を折り合って追走し、4コーナーでは外に出します。そこで外のナカヤマナイトと内のサダムパテックの狭い間隙に突っ込むも、体を寄せてきた2頭に挟まれて、一旦は完全に行き場を失ったように見えました。
しかしそれをこじ開けるように抜け出すと、皐月賞と同じように一気に伸びて、あっという間に先頭に踊り出ます。そこに後ろから追い込んできたウインバリアシオンが迫りますが、1馬身半ほどの差はつまらず、最後はやや突き放すような形でゴール。勝ちタイムは2.30.5でした。
オルフェーヴルとウインバリアシオンの着差は1馬身3/4でしたが、そこから3着は7馬身も離しました。

それもそのはず、この2頭の上がりは不良にもかかわらず、なんと34.8と34.7。この2頭以外はすべて36秒以上かかっているので、これだけ離れてしまうのも仕方ないでしょう。
さらに1つ前に行われた芝1800m準オープンのむらさき賞でも、最速は54kgと軽量の牡4歳カネトシパサージュの34.9。わずか0.1秒しか違いませんが、距離(芝2400m),負担重量(2頭は57kg),年齢(大きく成長するのは3歳秋以降)を考えると、2頭の上がりは出色の時計だと思います。
さらに同じ不良で行われた2年前のダービーでのロジユニヴァースの勝ちタイム2.33.7、上がり39.2と比べても、優秀であることはよくわかります。

これで2006年のメイショウサムソン以来の2冠馬となり、いよいよ秋には史上7頭目の3冠馬に挑むことになります。しかし不良の芝2400mを走ったダメージが、ちょっと心配です。
実際に2年前のダービー馬ロジユニヴァースは、ダービー後に復帰まで10ヶ月かかり、しかも調子が戻らず未勝利のままですし、2着のリーチザクラウンも昨年春にマイラーズCは勝ったものの、3歳時の期待ほどの活躍はできていません。
オルフェーヴルと他の馬たちには、ゆっくりと休んでもらって、また秋には元気な姿を見せてもらいたいものです。

オルフェーヴル
オルフェーヴル 大雨の中でよくがんばりました。しかしすごい末脚でしたね。

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